鳥の飼育は日本でも愛玩鳥として平安時代から親しまれてきました。その愛らしい姿と美しい声は実に魅力的です。
鳥は活動範囲の広い動物ですし、可能であれば伝書鳩のように自由に飛べるような飼い方をしてあげられたら理想的ですが、だからといって部屋に放し飼いにするのが良いかというと、そうとも言えません。
いったん放し飼いにされた鳥はカゴでの生活に適応できなくなり、何かの事情で無理にカゴへ入れようとすれば、暴れがちになったり、攻撃的になったりと、特に精神面において問題を生じやすくなります。
また、ダチョウなどを除き、鳥には膀胱(ぼうこう)や直腸がないため、トイレを我慢させたり覚えさせたりするのも困難です。
鳥は育った環境に順応することができる生き物です。カゴの中で生活する鳥にとって、そこは不自由な場所ではなく、安心できる自分の居場所と認識するようになります。
小鳥と言えばスズメやヒヨドリなどが思い浮かぶかもしれません。ですが特別な許可がない限り、野鳥の飼育は法律で禁止されています。
そのため、愛玩鳥として飼育ができるのは、主に外国産の種類になります。
もっとも広く親しまれているのはセキセイインコです。愛らしく、そして、とても頭の良い鳥です。
さらに賢さではオウムに似たヨウムという鳥が有名です。文章の意味を理解するという意味ではチンパンジーなどの類人猿にもひけをとらないほどの極めて高い知能を持つことが知られています。
ヨウムは高価な鳥ですが、かしこいペットを飼育してみたいという人たちの間において隠れた人気種となっています。
他にも変わったところでは、ペンギンやフクロウといった種類も一部で人気がありますが、エサ代にはかなりの覚悟が必要です。
鳥は食べ物に合わせてクチバシや体の構造を進化させてきたくらい食性も様々な動物で、中にはペンギンやフクロウのようにエサを準備するのが大変な種類もいます。
こうしたことからも、初めて鳥を飼育されるのであれば、インコやオウム、文鳥、伝書鳩(レースバト)、ニワトリのように、市販のエサを与えられる種類がおすすめです。
ほとんどの鳥は匂いに鈍感で、食事はもっぱら視覚に頼っているところがあります。このため、できるだけエサはよく見える位置に置きます。
鳥は水も大好きなので、水入れも忘れないようにしなくてはなりません。鳥カゴの中に置いてある水入れの水は傷みやすいので、少なくとも一日に一回は取り替えてあげます。